Click to jump to the text.

Text starts here.

会長ご挨拶

混迷の時代に光る「日本の匠の技」2020.03.01


会長肖像写真  令和も2年目となりました。
 平成の30年間は、バブル崩壊後に続いた長引く円高により、ものづくり拠点が海外に流出しました。同時に技術・技能も流出しました。産業が縮小化したことで非正規労働者が増加し所得格差が起きました。日本経済、特にものづくり産業にとっては「失われた30年」であり氷河期と感じる時代でもありました。
 令和の時代に期待したいところですが、今年は年明けから新型コロナウイルスの感染が広がり波乱含みのスタートになっています。
 私は過去の歴史からみて、30~40年単位で時代は変わるとみています。
 日本の経済変化を見ても1930年に世界恐慌・昭和恐慌、1960に所得倍増計画・高度成長スタート、1990バブル崩壊と30年周期で大変化が起きています。  そして大きな戦争・紛争は40年周期で起きています。
 1860年代の明治維新、アメリカ南北戦争。その約40年後に日露戦争、第一次ロシア革命。その40年後に第二次世界大戦。その40年後にソ連のアフガン介入、イラン・イラク戦争、天安門事件、ベルリンの壁崩壊が起きました。
 今年、2020年は、経済の30年周期と戦争・紛争の40年周期が偶然にも重なる年です。不気味です。これに新型コロナウイルスが加わりました。夏にはまた大型台風がくるかもしれません。首都直下型地震も油断できません。東京オリンピック・パラリンピックが開催される年だけにこれ以上の災禍がこないことを願うばかりです。
 災禍の多くは天災ではなく人災です。人間は同じ失敗を繰り返す動物だと言われます。
 辛い思い、痛い目にあった人たちが表舞台から消えて、全く知らない人たちが次の社会の中心になる。人が入れ替わる時期に変化が起きます。経済と戦争の周期の違いは痛手、記憶の違いの差かも知れません。
 これらの問題を解決するのも人間ですが、残念ながらリーダー不在の時代に起きます。
冷静に判断するリーダーが消えていき人間核兵器的リーダーが林立し始めます。ヒットラー、ムッソリーニ、スターリンといった第二次大戦前と酷似してきました。
 ものづくりは時代の流れに大きく影響されます。戦争になれば軍事産業、ウイルスが蔓延すればマスクや医薬品産業が拡大します。
 いつの時代でも衣食住工のものづくりを平和的に推進している国や都市は地味ですが元気です。災禍にあってもいち早く立ち直ります。ものづくりは人を殺傷するのではなく幸せにするものです。日本は地道にものづくりの道を歩まねばなりません。
 私たちは時代環境を注視し、日本が尊敬される活力のある国にする必要があります。
 技能士会はこれからも時代環境に合わせて適切かつ積極的な活動を展開していきます。


一般社団法人 全国技能士会連合会

会長 大関東支夫(おおぜきとしお)

技能士のいるお店を探す

  • 自分のお店を匠の技ネットで紹介しよう!
  • 技能士カードを持とう
  • 全技連マイスター認定者