
この3月末に全技連会長に就任して以来、全国の卓越した技能者の方々とお会いする機会がありました。真のプロの方々の持つ技の奥深さ、仕事に取り組む心構え、そして総合的な人間的魅力にただただ感服する毎日です。私も改めて、会長職の重責を痛感しています。
私たちは、地震、津波、原子力発電所事故の三重苦の中で必死に頑張る被災された方々に逆に励まされています。深い悲しみに耐えながらも、「冷静・整然と行動し、助け合う姿」が世界中の感動をよんでいます。「何故、日本では略奪行為が起きないのだ」「少ない食糧を分け合い、自ら着ている衣料すら脱いで体力の弱い老人や子供に着せている」「地球上にこういう国民がいた。奇跡の国民だ」等々。
まさに、「奪いあえば無くなる。分け合えば足りる。譲り合えば余る」という言葉を実践しています。
日本人の持つこうした精神・姿がある限り日本は必ず復活できます。
日本経済の地盤沈下は危機的なものがあります。成長が続く世界経済にあって、日本経済は追いつくことすらできない状態です。これは円高、価格競争により日本から多くのモノづくり拠点が消えたことが主因です。日本経済の復活には、「モノづくり立国」を国策にして、具体的施策を推進していくことが何よりも重要なことです。
しかし、この3月11日を起点に、国民の価値観が大きく変わってきているように思います。
これまでの常識が通じない「ニューノーマル(新しい正常)」の時代に突入しています。価値観の変化が起きています。価格競争から品質競争への転換もその一つです。
・安価な原子力エネルギーから安全な太陽、風力という自然エネルギーに移行
・モノ作り拠点は生産コストの安い国へ集中から安全、高技能人材を確保できる場所に分散等
こうした価値観の変化により、モノつくりの社会では、真に価値ある技能だけが評価され、生き残れる時代になります。まさに本物の技能者の出番です。
私たち全技連は、会員であることに誇りが持て、会員であるメリットを生かせるような活動に心がけてまいります。10万人余の会員のみなさん、時代の流れに翻弄されることなく、新たな日本再生に向けた使命感を持って、立ちはだかる多くの課題に挑戦していきましょう。
社団法人全国技能士会連合会
会長 大関東支夫(おおぜきとしお)
